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2013.4.26

「甘い香りで」

今年の冬は、手持ちの美容液やクリームが切れたあと、MARKS&WEBのハーバルオイルと化粧水だけで乗り切っていました。
顔も身体もこれ1本。
最初は ダマスクローズ/スクワランを使用。2本目はジャスミン/スクワランを。
希釈オイルはホホバとスクワランの2タイプがあるのですが、スクワランの方がさらっとしているみたいです。

ローズは甘さがあるながらちょっと青っぽい香りでなかなかさわやか。
ジャスミンはそれよりで甘い香りです。

今使っている香りは、アニック・グダールの「ガーデニアパッション」で、
これまた甘くて濃厚なクチナシの香り。ジャスミンの香りも入っています。
アニックの香水は天然の素材を使っているからなのか、甘さの中にも、苦さや青さなど、自然の植物が持つ「アク」のようなものを内包した香りが多いように思います。
このガーデニア・パッションも雨上がりの夏の庭のような、もわっとした緑や甘い花の香り、土の香りが渾然となったような濃厚な香りです。
クチナシやジャスミンの香りは比較的好きな香りなのですが、季節(温度や湿度)や体調によっては受け付けない時もあり、私にとってはいつでも万能に楽しめる香りではありません。

冬から春にかけて、空気が乾燥している季節に楽しみたい甘い香りたちです。

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2013.2.28

「春の色」

今年は寒い冬で、北国ではまだまだ春は遠いのですが、私の住んでいる東京では、
少しずつ春の気配です。

まだまだ寒いのだけれど、もう春はすぐそこ!と感じる時期に気になる色が黄色。
早春に咲く花は黄色の花が多いですね。
蝋梅、福寿草、菜の花、ミモザ・・・もう少し暖かくなったらタンポポ。

お店に仕入れる布も、この季節は自然と黄色のプリントを探している事が多いのです。

個人的に黄色という色は一番馴染みの薄い色で、洋服はもちろん、小物でも黄色を選ぶ事は子どもの頃から一度もなかったと記憶しています。
なんとなく小学校1年生の帽子やランドセルカバー、交通安全の旗などのイメージが強くて「幼い」印象があるからかもしれません。
だからこそ、この時期、黄色に惹かれ、いいなぁ〜としみじみしてしまう事が新鮮。

色には好みがあって、だれしも嫌いな色、絶対着ない色、いいと思わない色があると思うのですが、自然の中にある色は、どんな色でもその美しさに心打たれる瞬間があるのが、
素晴らしいなと感じます。
日本は四季があるので、自然のなかの移ろう色の世界をとても豊かに味わうことができますね。
当たり前に思っている風景にも、一つ一つ小さな色の変化があり、それをゆったりと感じられるような心で暮らしたいなあと思うのです。

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お花屋さんでミモザの花束を見かけました。だれかにプレゼントしたくなりますね。


2013.2.9

「都会的なフォークロア」

まだまだ寒さも続いていますね。
早く春になればいいなあ〜と思いつつ、
先日、観た映画のファッションの話を。

「フォロー・ミー」1972年 イギリス映画

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「第三の男」で有名なキャロル・リード監督の遺作でもあります。

子供の頃、テレビで観て大好きな映画の一つだったのですが、
なかなかビデオにもDVDにもらなず、ずーっともう一度観たい!!と思い続けていた映画なのですが、主演のミア・ファローのファッションが本当にかわいい。

時代は70年代前半。

上流の家に生まれて公認会計士をしているチャールズは、カリフォルニアからやってきた、自由気ままなベリンダに心惹かれ結婚します。
でも、育ちも考え方も全く違う2人は次第にすれちがうようになり、ベリンダはチャールズの家族や友人たちにも馴染めず、孤独をつのらせていきます。

だんだん、外出がちになり家を空けるようになったベリンダが浮気をしているのでは?と疑ったチャールズは探偵を雇いベリンダの尾行させるのです。

「人生は旅よ」といい、ひとつところに安住せず旅を続けるベリンダは、当時の空気を反映したピッピー風ファッション。
対照的にチャールズはバリバリの英国紳士風スタイル。

2人が出会った時のエスニック風の白いチュニックブラウスは、胸まわりや裾にはいった花の刺繍がキュート、エレガントなブリムの大きな帽子に合わせたニットポンチョや、大きなビーズで作られたロングネックレスなどが、少年のように細身で透明感のあるミア・ファローによく似合っていました。

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イギリスらしい花柄のブラウスにセーター、細身のパンツにサファリ風ジャケットというスタイルのときも、バッグはエスニック風のざっくりとした刺しゅうの入った布のショルダー。

フォークロアスタイル(エスニックスタイル)は、本来、キリスト教文化圏から見た異国風スタイルという観点がベースになっているので、もともと存在自体が異国サイドの日本人が着こなすのは難しいスタイルでもあります。

でもあまりどっぷりエスニック風に振らず、シンプルな装いの中にちょっとテイストを加えるくらいなら、きっと素敵に着こなせるはず。

映画の中のミア・ファローのように、都会的なフォークロアスタイルがお勧めでしょうか・・・・

手作りのものや素朴なテイストのものもフォークロアの特徴なので、今年の春は、ちょっと、ハンドメイドで自由な雰囲気をファッションに取り入れてみてはいかが?

映画のストーリーですが、その後、ベリンダと探偵のクリストフォルー、夫のチャールズが、どうなるか・・・・・・・・
とても心温まる素敵な展開です。
メランコリックなジョン・バリーの音楽がまた素晴らしい!!

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オシャレとは言いがたいですが、探偵のクリストフォルーの、白ずくめのスタイルも印象的。
白いハンチングに白いレインコート、白いパンツに白いスクーター。
人懐っこい瞳で、いつも何か食べている!(彼の鞄やポケットには、いつもクッキーや、マカロン、フルーツなどがいっぱい入っているのです。)
探偵としては目立ち過ぎでしょう!!

やっとやっとDVDが発売されましたので(レンタルもでていますよ〜)ぜひ観てみてください。


2013.1.29

「早春の装い」

冬ものセールももう終盤ですね。
時間のある時ゆっくり見よう!!と思っている間に、いつも終わってしまうセール期間。
でも、セールに心惹かれつつも、どこか次のシーズンの新物のほうにワクワクしているというのが正直なところ。
まだまだ季節は変わらないけれど、ちょっとやせ我慢をしてアイテム先取りをしたり、または色や素材で新しいシーズンを表現したり・・・・

春の色というと、どういうわけか、甘いパウダリーなカラー(パステルカラーなどね)が、どっと出てくるのが昔から嫌いだったのですが、やはり暗い色一辺倒になりがちな冬の装いに飽き飽きしているということなのかな。
パステルは苦手だけれど、早春のマリンカラーは大好き。

もともとネイビーは個人的なベースカラーなのですが、そこに生成りや白、ベージュをを合わせていく・・・・この季節の割合だと、ネイビー3生成り7くらいのカラーバランスがいいかな。
薄手のウールからしっかりとした上質コットンやリネン、そこに徐々にレースやローンなどのふわりとした質感を加えていきながら、春の細かい移ろいを感じていくのが楽しいのです。
白や生成り色は同じ色でも、素材や質感で全く違う表情になる色だから、そんな同色の微妙なグラデーションも楽しみたい。そこにぴりりとネイビーをきかせるのです。

そう考えると、爽やかな白系中心の着こなしに、それぞれ個人のベースカラーを引き締め役で加える・・・という方法は、手軽だけど新鮮な春スタイルかもしれませんね。

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2013.1.15

「2013年」

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新しい1年が始まりましたね。

今年の冬はとにかく寒い!!

私は新年早々、風邪を引いてしまいなんだか冴えない年明けに。
病院の待合室で予防接種の順番を待つ、若いお母さんと赤ちゃんがいました。
そういえば、この時期は風邪だ、インフルエンザだと、よく熱を出した子供たちを連れて病院に走ったものです。
最近、子供たちがめっきり病気をしなくなったなぁ・・・などと、思いながら、
となりに座るお母さんに「頑張れ〜」と、心の中でエールを送りました。

早く春が来ないかな・・・・という気持ちで、今回は春らしい布をたくさん選んでしまったのですが、季節はもちろん、震災や経済の低迷でまさに今、日本も真冬の様相。
いろいろな意味で、明るい春が待ち望まれます。


2012.12.21

「好きな服を作るという事」

もう20年くらい前になりますが、とても気に入って(自分によく似合うと思って)
着ていたワンピースがありました。
紺のジャージ素材で、ごくごくシンプルなノースリーブのワンピースです。
たしか Y’sのものだったと記憶しています。
春秋はカーディガンやジャケット、ブラウスを羽織って、夏は1枚で、冬はインに薄手のセーターを着て、それこそ1年中着ていました。
綻びを繕って、大事に大事に10年以上着続けましたが、そういう1着というのは、もう自分自身の一部のようになってしまうものですね。

その後、いろいろな洋服を着ましたが、やはりあのワンピースの世界観につながるようなデザインが好きかもしれません。

自分の洋服を作りたいなと考えた時、ちょっと凝ったデザインや、カッティング、個性的なものを作ってみたいと思った事もありましたが、最近しみじみ思うのは、好きなデザインに近い、ごくごくシンプルなパターンをその時の流行や年齢、体型などに合わせて、微調整しながら作れたら素敵だなということです。

専門的な技術がある場合は別ですが、私のように趣味の範疇でソーイングを楽しむ場合、
シンプルなデザインを、ちょっと上質な素材で丁寧に作ること・・・・ここにこだわっていけたらいいなと思っています。

残念ながら、最近はなかなか自分のものを作る機会がないのですが・・・・・


2012.12.9

「娘の服」

今回から、ソーイングや手作り、おしゃれに関する小さなエッセイを、書いていこうと思います。
お買い物の合間に、さらりと読んでいただけると嬉しいです。

さて、日々、布を扱う仕事をしているわけですが、ここ数年、プライベートで何かを作る機会が激減してしまいました。
はなはっかのイベントで、刺繍ハンカチやバッグを作るなど、仕事がらみの制作はしているのですが・・・・・

個人的な布の在庫はたまるばかり・・・・・

今は14歳になった娘が生まれてからの数年間、小さな娘のためにと、かわいい生地をコツコツ集め、時間の合間を見て、スカートやワンピースを作っていました。
50cmもあれば1日でできてしまうウエストゴムのスカート、ちょっと頑張って刺しゅうを入れたり、アップリケをしたり、色あわせにもいろいろ悩んで作ったワンピース達・・・・
あの頃が1番、ソーイングに励んでいた頃でしょうか。

その下に生まれたのが男の子2人というのもあり、仕事が忙しく、育児もてんてこまいになって、個人的にはソーイングから少し遠ざかってしまいました。

布のクローゼットを開けると、娘のために買い集めて使い切れなかった、かわいらしい少量の布たちがたくさん入っていて、それを見るたびに、目を輝かせて洋服ができるのを喜んでいた小さな娘の顔や、あれやこれや作りたいデザインを考えていた自分を思い出して、懐かしく、ちょっと切なくなってしまうのです。
と同時に、かわいらしいプリントの布を50cmや1mづつたくさん買われているお客様のオーダーを見ると、「もしかして、小さなおじょうさんがいるのかなぁ」と、暖かい気持ちになります。

今もなかなか仕事以外で何かを作る時間はないのですが、少し時間ができてきたら、今度は自分のために何かをゆったりと作りたいなあ・・・と思っていますが、どうなるかな?・・・・・・・

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